寿司職人の一日の流れとは?寿司職人になるための方法も解説
これから寿司職人を目指す方のなかには、一日の流れがどのようになっているのかイマイチ把握していない場合もあるでしょう。
また具体的な業務スケジュールや休日、残業について知っておきたいと思うこともあるのではないでしょうか。
本記事では、寿司職人の一日の流れを解説します。
小規模な寿司店の場合と比較的規模が大きい寿司店の場合で一日の流れが異なる場合もあるため、そのあたりについても解説していきます。
また寿司職人になるための方法もお伝えするので、寿司職人に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
寿司職人の一日の流れ
寿司職人の一日の流れは、小規模な寿司店と比較的規模が大きい寿司店では異なる場合があります。
ここでは、それぞれの店舗で働いたときの一日の流れを紹介します。
あくまでも一例のため、具体的な一日の流れは直接店舗で確認してみましょう。
小規模な寿司店の場合
まずは小規模な寿司店の一日の流れを見ていきましょう。
小規模な寿司店では朝早くから夜遅くまで動き回ることになるため、時間管理と休憩をとるタイミングを掴むことが大切です。
- 3:30・起床
- 4:00・市場で新鮮な魚介類を仕入れる
- 5:30・休憩
- 8:30・朝食
- 9:00・昼営業の仕込み
- 11:00・昼営業開始
- 14:00・昼営業終了
- 16:30・夜営業の仕込み
- 17:30・夜営業開始
- 22:30・夜営業終了
- 23:00・片付け・閉店
- 24:00・帰宅
一日の流れを見るに、睡眠時間を十分に確保できないのは小規模な寿司店ならではのデメリットかもしれません。
関連記事:個人店のミカタjob 口コミ
比較的規模が大きい寿司店の場合
比較的規模が大きい寿司店では、ホール業務とキッチン業務が分かれているケースもあるため、小規模な寿司店よりも負担を軽減できる傾向にあります。
一日の流れとしては次の通りです。
- 6:00・起床
- 7:00・出勤・開店準備
- 8:00・仕入れた魚介類が到着
- 9:30・魚介類をさばく
- 12:00・昼営業の開始
- 14:00・昼営業終了
- 15:00・包丁を研ぐ
- 17:00・夜営業開始
- 19:00・出前
- 22:00・夜営業終了
- 22:30・帰宅
比較的規模が大きい寿司店では、魚介類の仕入れに出向く必要はなく、市場から直接送られているのが一般的です。
そのため朝早くに起きることがなく、7:00頃出勤して開店準備を始めます。
仕事が終わるのも22:00頃のため、店にいる時間は10時間と他の職業とあまり変わらないでしょう。
寿司職人の主な業務スケジュール
寿司職人の主なスケジュールは、昔ながらの寿司店とチェーン店や出前専門店とでは多少異なります。
ここでは、それぞれの業務スケジュールを解説するので、就職先を決める際の参考にしてください。
昔ながらの寿司店
昔ながらの寿司店は、自分の足で市場に出向いてネタとなる魚介類を仕入れる必要があります。
新鮮で品の高い魚介類はなくなるのが早いため、朝早くから市場に行かなければなりません。
仕入れが終われば、仕込みや開店準備まで休憩や仮眠を取ることができます。
昼の営業を終えてもすぐに夜の営業に備えて仕込みをしなければならないため、工夫して休憩を取ることが大切です。
チェーン店や出前専門店
チェーン店や出前専門店のほとんどはシフト制を導入しています。
シフトによっては早朝や遅番などがある場合もありますが、昔ながらの寿司屋で働くよりも負担が少ない傾向にあります。
勤務時間も短くてすむので、睡眠時間やプライベートの時間を確保することも可能です。
チェーン店や出前専門店など比較的規模の大きい寿司屋であれば、冷凍の魚介類や市場と契約もでき、わざわざ取りに行かなくても直接届けてくれます。
店舗で働く人数も多いことからホール業務とキッチン業務に分けられ、業務負担の緩和にもつながります。
ただし個人の寿司屋よりもファミリー層が訪れるため、忙しい一日を過ごすことになるでしょう。
寿司職人の休日
寿司職人にも休日はありますが、他の業種と比べると少ない傾向にあります。
週休2日制と決まりはなく月6日程度が休みで、年間休日で表すと100日前後です。
とくに昔ながらの寿司屋では顧客を優先するため、急な予約が入ると対応しなければなりません。
また寿司を握る技術や運営スキルが上がると大将の代わりを勧められることもあり、そうなれば長期の休みを取りにくくなります。
比較的規模の大きい寿司屋のなかには休暇取得に力を入れていることもあり、有給や育休などを利用できる場合もあります。
休暇の取りやすさはホームページや求人に記載されているため、働くことを考えている場合は念入りに確認するようにしましょう。
寿司職人の残業時間
寿司職人として働く場合は、残業時間はあると思っておくとよいでしょう。
多くの場合8時間労働で上がれるケースは滅多になく、「みなし残業」として含まれていることがほとんどです。
そのため数時間は残業すると覚悟しておくことをおすすめします。
みなし残業を超えた場合、超過分をしっかり支給してくれるか事前に確認しておくと安心です。
そもそも寿司職人になるには?
寿司職人になるには、養成学校で技術を学んでから就職するか弟子入りするかの2パターンです。
どちらも寿司職人としての技術を習得するのに必要な過程を踏めるため、自信を持って寿司職人の道を歩めるでしょう。
ただし、それぞれの方法にはメリット・デメリットが存在します。
どちらが自身に合う過程なのか、ここで見極めてみましょう。
養成学校で技術を学ぶ
日本には寿司職人を目指す人向けに、養成学校が設けられています。
養成学校では、栄養学をはじめとする座学や実践的なことまで幅広く学べるのがメリットです。
道具の使い方や寿司の握り方、配膳の仕方など一通り学びたい場合は、養成学校に通うとよいでしょう。
養成学校のなかにはライフスタイルに合わせて通えるように、授業期間やプランを決められるケースもあるので一度パンフレットなどを確認することをおすすめします。
また養成学校では和食を中心に学習するため、寿司職人になれなくても小料理屋などに就職することも可能です。
卒業後の就職先を支援してくれるサービスもあるので、就職までサポートを受けたい場合は養成学校が向いているでしょう。
ただし現場での実務経験を積むことはできないため、就職しても1人前になるまでに時間がかかることもあります。
基本的な知識と技術は身に付いているため、卵焼きやお吸い物などの調理であれば、早い段階で任せてもらえるかもしれません。
弟子入りする
直接寿司屋に弟子入りして修行を積むのも、寿司職人になるための方法です。
右も左もわからない状態で弟子入りするため最初は挫けそうになることもありますが、身近でプロの技を感じられます。
寿司職人としての一日の業務に取り組むため、調理以外の雑務を学べるのも弟子入りのメリットです。
学校では学べない現場の緊張感や実際の業務を体験できるため、寿司職人としての仕事をきちんと理解できるでしょう。
ただし基本的な知識や技術がないまま弟子入りするため、1人前になるまでに長い年月が必要です。
多くの場合は10年程度かかることもあり、根気がいると言っても過言ではありません。
寿司職人になるには資格が必要?
寿司職人になるのに資格取得はとくに必要ではありません。
ただし「食品衛生責任者」と「調理師免許」があると、個人で開業したい場合、スムーズに手続きや運営ができます。
調理師免許があれば食品衛生責任者資格取得に必要な講習を受けなくていいため、手間が省けるというのがメリットです。
また調理師免許や食品衛生責任者資格があれば、飲食店としての信頼度や安心度が高まるため、運営がしやすくなります。
寿司屋でふぐを扱う場合は、ふぐ調理師の免許が必要です。
無免許で調理すると違法になるので、注意してください。
寿司職人に向いている人とは?
寿司職人は誰でもなれるものではありません。
非常にハードな仕事のため、限られた人しかなれないのです。
ここでは、寿司職人に向いている人の特徴について解説します。
向上心が高い
努力家で向上心が高い人は、寿司職人に向いている傾向にあります。
寿司職人は伝統を受け継いで今に至るため、昔ながらの技術の習得が欠かせません。
また時代の変化やトレンドを意識してお客様に喜ばれる寿司をおもてなしする必要があるため、
技術以外にもニーズに応えるスキルも勉強し続けることが大切です。
向上心があって日々勉強に打ち込める人は、寿司職人としての修行に耐えられるでしょう。
感性が優れている
寿司職人に求められるスキルのなかには、優れた感性が必要とされています。
寿司は味覚のおいしさだけではなく、視覚的な魅力を引き出すことも大切です。
寿司職人が握る寿司はアートでもあるため、美的センスの高い人が握れば、何度でも見て食べたくなる寿司が生まれるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
寿司職人はただ寿司を提供するだけではありません。
寿司屋に訪れるお客様のなかには、職人との会話も楽しみの一つとしてくれている場合があります。
適切な距離感でお客様が求めるコミュニケーションを取れば、より満足して過ごしてもらえるでしょう。
そのためコミュニケーション能力が高い人も、寿司職人として活躍できるかもしれません。
寿司職人の需要は?
近年寿司ロボットを導入する寿司店が見られるようになり、寿司職人の需要に危機感を覚えている方もいるでしょう。
しかしながら、個人の寿司店や高級志向の寿司店では、まだまだ寿司職人の技術が必要とされています。
新鮮な魚介類を見極めて味わい深いネタを握るには、まだまだロボットでは真似できない技術です。
寿司は温度や握り方一つで変わると言っても過言ではないため、デリケートな食であるといえます。
また寿司屋では、おいしい寿司を食べることだけが目的ではありません。
寿司職人と楽しく会話したり相談に乗ったりと、会話も一つの営業です。
これらのことから、寿司職人の需要は常にあり、将来なくなることはないでしょう。
関連記事:寿司職人におすすめの飲食転職エージェント10選を紹介!
寿司職人の一日の流れを把握して、就職後のイメージを掴もう
寿司職人の一日は想像以上にハードです。
早朝から市場に行って新鮮な魚介類を仕入れたり仕込みをしたりします。
昼の営業を終えたら夜の営業のためにまた仕込みをしなければならないため、適度に休憩や仮眠を取らないと疲労が蓄積するでしょう。
また寿司職人になるには、養成学校で技術を学んだり寿司店に弟子入りしたりする必要があります。
寿司職人は知識だけでなれるものではなく、年月をかけて技術を習得することが不可欠です。
生半端な気持ちでなれるわけではないため、向上心があって感性に優れている方こそ寿司職人に向いているでしょう。