寿司職人の世界は厳しい?仕事がきついといわれる理由とは
寿司職人を目指している方のなかには「仕事がきつい」と耳にしたことがあるかもしれません。
実際、寿司職人の世界は厳しいといわれることが多く、その世界に飛び込んだものの耐えられなくなる方もいます。
そこで本記事では、寿司職人の主な仕事内容や仕事がきついといわれる理由について詳しく解説します。
これから寿司職人を目指す方はぜひ参考にしてください。
目次
寿司職人の主な仕事内容
寿司職人は、お店で寿司を握るだけが仕事ではありません。
寿司職人の主な仕事内容は以下のとおりです。
- 魚を市場から仕入れる
- 開店前の清掃
- 仕入れた魚を寿司用に処理するく
- お米を炊いてシャリを作る
- お店で寿司を握りながら接客する
- 閉店後の後片付けをする
上記の仕事内容は一般的な寿司店での例です。
各店舗でさらに細々とした業務が追加されることがほとんどなので、さまざまな業務をこなす必要があるでしょう。
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寿司職人の仕事がきついといわれている理由
寿司職人の仕事がきついと言われている理由は以下の4つです。
- 厳しい修行が必要
- 一人前になるまでに時間がかかる
- 労働時間が長い
- 独立・開業が難しい
厳しい修行が必要
寿司職人で一人前になるには、長く厳しい修行が必要だといわれています。
また、修行中は一流の技術を身につけなければいけないため、厳しい環境で修行することになります。
ただし、現在は寿司学校などの専門施設も充実しているため、店舗などで修行する前に一定の技術は身につけられる環境があります。
一人前になるまでに時間がかかる
寿司職人の世界はひと昔前までは、修業期間が10年以上かかることも少なくありませんでした。
1年目は接客や洗い場、買い出し、3年目で魚のさばき方を教えてもらい、10年で一人前といわれる世界でした。
どこの寿司屋でも、基本的には年数を重ねるごとに持ち場が増えていくのが一般的です。
持ち場はどんどん難しくなるため、修行中は体力的にも精神的にも負担が大きいと感じる方が一定数いるでしょう。
労働時間が長い
寿司職人は早朝の市場で仕入れをしなければいけません。
そのため、労働時間は早朝から閉店後の後片付けまでと拘束時間が長くなる場合があります。
市場から帰ってくると仕入れた魚をさばいたり、酢締めや昆布締めなどの仕込み作業を行います。
お昼営業をしている店はすぐにお昼の開店となり、昼営業が終わるとすぐに夜の仕込みもしなければならないため、休憩時間も思うほど取れないでしょう。
従業員の人数が多ければ交代制で仕事ができるため問題ありませんが、少ない店では労働時間が長くなってしまいます。
独立・開業が難しい
寿司職人は豊富な経験や知識が求められる職業であるため、独立・開業が難しい特徴があります。
また、技術だけではカバーできない「資金調達」「集客」「経営」といった知識も必要です。
さらに、寿司業界は競争が激しい世界でもあり、開業したとしてもお客様を飽きさせないパフォーマンスや技術を磨くことも大切です。
このようなことから、毎日接客しながら早朝から長い間労働しなければいけない寿司職人の独立・開業は難しいといわれています。
「寿司職人の世界は厳しい……」と感じたときは?
いざ、修行をしようと寿司職人の世界に飛び込んではみたものの、「やっぱり自分には難しい世界かもしれない」などと感じてしまうこともあるでしょう。
その場合は、思い切って転職するのも1つの解決策になります。
寿司職人として修行した内容は、飲食業界なら力を発揮できることばかりです。
視野をもう少し広げ、旅館やホテル、和食レストランといった少しジャンルの異なる世界でも技術は活かせる可能性はあります。
旅館やホテルなどでは、個人の店舗と比べても従業員の数は多い傾向にあるため、月の休みも確保しやすいでしょう。
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寿司職人が転職する際のポイント
寿司職人が転職する際は以下のポイントをおさえておきましょう。
- ポイント①新たな環境への適応
- ポイント②自身の成長の余地
- ポイント③給与や福利厚生
- ポイント④労働環境
ポイント①新たな環境への適応
寿司職人として修行してきた方が違うジャンルの職場に転職するなら新たな環境へ適応できるかどうかは大切です。
寿司職人として修行した経験は、厨房や食材の扱いには慣れているでしょう。
しかし、新たな環境では寿司以外のメニューや異なる調理法を勉強しなおす必要も出てきます。
また、新しく関わるスタッフやその業界の文化などにも適応しなければいけません。
そのため、転職する際には自分自身の柔軟な適応能力が問われます。
転職は、新しい環境に恐れることなく飛び込んでいける方が成功しやすいでしょう。
ポイント②自身の成長の余地
新しい環境での転職に挑戦するなら、自身の成長の余地が大切です。
今まで経験した寿司職人の技術や知識がさらに磨ける環境が整っていると、モチベーションを保ちながら仕事が続けられるでしょう。
転職後に新たな環境で、自分が成長できるかどうかも考慮しておくこともチェックしておく必要があります。
ポイント③給与や福利厚生
転職をするには、給与や福利厚生は必ずチェックしておきましょう。
実際の労働条件や待遇などもしっかり確認し、現在の状況と比較することが大切です。
また、家族がいるなら新しい環境での給与や福利厚生で生活水準を保てる、もしくは上がるかを見極めましょう。
転職を検討する際は、経済的な安定はモチベーションを維持するためにも重要です。
ポイント④労働環境
転職後の労働環境を確認することも重要です。
寿司職人は労働時間がはっきりしている会社員などと比べると労働時間は長く、ストレスを抱えることも多い職場といわれています。
転職を検討する際は、労働環境をしっかり調査し、現在の職場より悪くならないようにしましょう。
労働時間が長かったりストレスがかかったりすると健康に悪影響が出る恐れがあります。
健康でなければ働き続けることはできないため、自分自身が働きやすい環境かどうかは事前に必ず確認しておくことが大切です。
寿司職人の海外進出は厳しい?
寿司職人は日本でしか働けないと思っている方もいるかもしれませんが、海外での日本食ブームなどで需要が高まってきています。
さらに、ビザの取得がしやすく日本人の寿司職人は本場のプロとして海外では優遇されやすいのも事実です。
そのため、国によって差はありますが、寿司職人の海外進出は一定の条件をクリアできれば厳しいものではないでしょう。
海外で寿司職人として働くメリット
ここからは、海外で寿司職人として働くメリットについて以下の3つを解説します。
- メリット①長期間の修行がない
- メリット②収入アップが見込める
- メリット③キャリアや人生経験アップにつながる
メリット①長期間の修行がない
日本で寿司職人として働くには何年にも渡る長期間の修行が必要ですが、海外で働く場合はその必要がありません。
海外に行けば、数ヶ月の修行経験がなくても「本場のプロ」と歓迎されるケースが多く、優遇されやすいでしょう。
基本的なことができていれば、海外でも経験や実践を積み重ねながら働くことが可能です。
メリット②収入アップが見込める
日本での寿司職人の収入は、約450万円が平均といわれています。
しかし、海外では物価の影響や税金の関係で高めの水準となっており、年収が1,000万円を超えている方もいます。
海外では、最低時給が日本より高い国が多く、チップをもらえる文化もあり、収入アップも十分見込めるでしょう。
ただし、日本より収入が下がる国も当然あるため、物価や税金を考慮した国選びが大切です。
メリット③キャリアや人生経験アップにつながる
海外で寿司職人として働いた経験は必ずキャリアや人生経験アップにつながります。
将来的に日本に帰国して働く際も、海外生活をした経験があれば就職先の選択肢も広がるでしょう。
また、海外で働けば語学力も自然に身に付きます。
インバウンドの拡大やグローバル化を目指している日本の社会では、語学力が身についていると必ず強みになります。
海外で働いた経験は、寿司職人以外の道でも必ず役に立つでしょう。
海外で寿司職人として働くデメリット
ここからは、海外で寿司職人として働くデメリットについて以下の3つを解説します。
- デメリット①英語力を見につける必要がある
- デメリット②現地の文化を受け入れなければならない
- デメリット③海外特有の寿司のスキルを身につける必要がある
デメリット①英語力を見につける必要がある
海外で転職するには、当然ながら語学力を身につける必要があります。
接客などを行う際に、当然その国の言葉で話す必要があるだけでなく、日常生活や交通機関を利用するときなど最低限の語学力がなければ生活できません。
デメリット②現地の文化を受け入れなければならない
海外で寿司職人として働くなら、現地の文化を受け入れることも大切なポイントです。
いくら寿司は日本の伝統的な食べ物だと主張してもコミュニケーションをうまく取らなければ自分自身も生活しにくいと感じるでしょう。
世界にはあらゆる国が存在し、それぞれ異なる風習や価値観、宗教観などが存在します。
食文化もそれぞれの国が持つカルチャーの1つです。
転職先の国の文化を尊重しなければ、海外での寿司職人として成功することは難しいでしょう。
デメリット③海外特有の寿司のスキルを身につける必要がある
海外で寿司職人として転職する場合、日本とは異なる寿司のスキルを身につける必要があります。
例えば、日本での寿司は「握り」が基本ですが、海外では「巻き」が一般的な場合があります。
また、日本とは異なる魚や食材を使用することも多く、現地ならではの仕込みが必要なケースもあるでしょう。
寿司職人が転職する際のポイント
寿司職人が転職する際のポイントは以下の3つです。
- 日本の伝統と文化の継承
- 独自の味わいと創造性の追求
- 次世代の人材育成
日本の伝統と文化の継承
寿司は日本で昔から伝統のある食べ物で、寿司文化を継承していくことが重要です。
日本の伝統と文化を継承し、次の世代へ発展させていくことが大切です。
昔から受け継がれている寿司は、先人たちから多くの知恵や技術を活かしながら現代では時代やニーズに合わせてさまざまなアレンジが加えられています。
昔ながらの寿司とともに、時代に合わせた寿司も世界に広める必要があるでしょう。
日本の伝統と文化の1つとして海外に進出する寿司店も増えています。
独自の味わいと創造性の追求
寿司職人は、独自の味わいと創造性の追求ができるのも魅力の1つです。
一流と呼ばれる寿司職人は、魚だけでなく米や調味料にもこだわり、香りや風味も大切にしています。
食材の目利きを鍛えたりオリジナルメニューを考案したり、つねに新しいことにチャレンジする必要もあります。
転職後もこのような独自の味わいと創造性を追求できる職場ならやりがいも感じやすいでしょう。
次世代の人材育成
寿司職人は伝統と文化を次の世代へつなげるため、次世代の人材育成も大切です。
寿司を握るだけでなく、食材の知識やお客様への接客なども習得する必要があります。
そのため、寿司職人には次世代の育成にも力を入れている企業も少なくありません。
次世代が育成できれば次の世代の寿司文化も発展しやすくなるでしょう。
また、次世代が育てば海外進出や今までにないメニューの開発などさまざまなチャレンジも可能です。
転職を検討する際、転職先で人材育成に力を入れている企業を選ぶと、伝統と文化を継承することもできます。
厳しい修行を経た寿司職人だからこそできること
寿司職人は厳しい修行を経たからこそできることが多く、技術も高く細かな作業を得意とするため「職人」と呼ばれることがあります。
技術面では、魚の特徴に合わせたネタの分厚さや握る際の力の入れ方は経験がないと難しいでしょう。
しかし、技術が進化した現在は、機械が寿司を握る店も珍しくありません。
また、客が自由にネタを選んで食べるスタイルが主流となっています。
ただし、長い修行を経験した寿司職人にしかできない握りやお店でコミュニケーションを取りながら食事するスタイルは日本の食文化の1つといえます。
このような昔ながらのスタイルで寿司を楽しませてくれるのは寿司職人だからこそできることです。
寿司職人は厳しい修行があるが、日本の文化として継承できる魅力もある
寿司職人の世界には長く厳しい修行があります。
しかし、昔と比べると現在は働き方も改革が起こっており、働きやすい環境が整っている店もあります。
それでも職場が厳しく続けられそうにないという場合は、思い切って転職するのも1つの解決策となるでしょう。
転職を検討するなら、転職エージェントを活用してみると今までにない発見があるかもしれません。
一人で何から始めてみればいいかわからない、今よりキャリアアップを目指したいという方は転職エージェントに相談してみましょう。