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公開日 2024.11.26 更新日 2024.12.24

飲食店の給料事情が気になる!年収アップを狙うコツも紹介

飲食店へ転職を検討している方の中には、給料事情が気になって一歩を踏み出せない方も少なくありません。

 

手取りが安いなどネガティブなイメージのある業界のため、どの程度の収入が見込めるか気になる方は多いでしょう。

 

当記事では、飲食店の給料事情について詳しく解説します。

 

平均年収や月収だけでなく、年収アップのコツもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

飲食業の平均年収

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、飲食業の平均年収は約280万円です。

 

日本全体の平均年収460万円と比較すると、給料は安い傾向といえます。

 

しかし、同じ飲食業でも職業や年齢、勤務年数によって、年収は大きく変動します。「飲食業の給料は安すぎる」と、一括りにして判断できるものではありません。

 

たとえば、飲食業の平均給与を主要な業態ごとにまとめると、以下のようになります。

 

業態 東京都の平均給与(月給)
イタリアン 28万6,591円
和食 29万6,161円
居酒屋・ダイニングバー 29万5,671円
カフェ・喫茶店 26万7,723円
洋食・西洋料理 28万8,592円

参照:Synchro Food「求人飲食店ドットコム 2023年度下期 主要業態の平均給与」

 

飲食業の平均給与を年齢別に見ると、以下のとおりです。

 

年齢 平均給与(月給)
全体 25万9,500円
~19歳 18万1,400円
20~24歳 20万6,500円
25~29歳 23万0,000円
30~34歳 24万7,200円
35~39歳 27万2,000円
40~44歳 28万3,700円
45~49歳 28万8,400円
50~54歳 29万3,200円
55~59歳 28万9,100円
60~64歳 25万1,400円
65~69歳 22万3,300円

参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

 

以下では、飲食業の給料を他業種と比較した結果を見ていきましょう。

他業種と比較すると飲食業の平均年収は低い

飲食業の平均給与を主要な業種と比較すると、以下のような結果となりました。

 

業種 平均年収
飲食業 280万3,000円
医療,福祉 455万9,000円
建設業 628万4,000円
製造業 636万1,000円
卸売業,小売業 441万5,000円
金融業,保険業 801万1,000円
不動産業,物品賃貸業 531万6,000円
サービス業 420万9,000円

参照:厚生労働省「令和5年分 民間給与実態統計調査」

 

他業種と比較しても、飲食業の平均年収は安い方であるといえます。

 

「なぜ飲食業の給料は安いのか」「働きやすいと感じる飲食店で給料を上げる方法はないのか?」という2つの疑問に焦点を当て、飲食店の給料事情を詳しく掘り下げていきます。

 

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飲食業の給料が低い理由

飲食業の給料が低い理由は、おもに以下の2つがあげられます。

  • 同業他社への転職が多い
  • ほかの職種と比べて離職率が高い

給料が低くなる原因を詳しく見ていきましょう。

同業他社への転職が多い

転職が多い業界では昇給が見込めないため、給料が低い傾向にあります。

 

飲食店勤務の方は同業他社への転職が多く、昇給する前に辞めてしまうため、業界全体の給料が上がりづらくなるのです。

 

実際に、厚生労働省「令和4年 雇用動向調査結果の概要」によると、入職者数は飲食業がもっとも多く、離職者数も2番目に多い結果となっています。

 

業種 入職者数 離職者数 
宿泊業,飲食サービス業 168万2,800人 130万2,300人
卸売業,小売業 130万4,600人 140万400人
医療,福祉 113万8,100人 121万人
教育,学習支援業 50万3,500人 51万4,600人
製造業 73万9,000人 78万8,800人
情報通信業 20万6,100人 18万9,400人
金融業,保険業 9万6,100人 11万3,500人
サービス業
(他に分類されないもの)
84万4,400人 84万人

参照:厚生労働省「令和4年 雇用動向調査結果の概要

 

人材の入れ替わりが激しい飲食業は、昇給の機会が限られており、結果として給料が低水準にとどまっています。

ほかの職種と比べて離職率が高い

人材が定着しにくい業界は、昇給する前に辞めてしまう方が多くなるため、平均年収が低い傾向にあります。

 

以下の「産業別入職率・離職率」を比較しても、飲食業の離職率がもっとも高いことが分かります。

引用:厚生労働省「令和4年 雇用動向調査結果の概要

 

飲食業の離職率が26.8%、次いでサービス業が19.4%となっており、他業種を大きく引き離しています。

 

飲食業の平均年収が低いのは、給料が安いというだけでなく、昇給する前に辞めてしまう人が多いことも大きな要因です。

飲食業で給料アップを狙う方法

飲食業で給料アップを目指す方法を、6つ紹介します。

  • 企業の規模が大きい会社や店舗に転職する
  • 平均年収が高い業種や職種を選ぶ
  • 資格を取得する
  • 入社する前に手当を確認する
  • 独立・開業する
  • 飲食業界の転職に特化した転職エージェントに相談する

飲食業界へ転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

企業の規模が大きい会社や店舗に転職する

同じ職種や仕事内容でも、勤務先の事業規模によって給料は変動します。

 

以下の表を見ると、企業規模が大きくなるほど給与が高くなることが分かります。

 

企業規模 平均給与(月収)
大企業 34万8,300円
中企業 30万3,000円
小企業 28万4,500円

参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

 

同じ飲食店でも大手企業に就職・転職できると、収入アップに期待できます。

 

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平均年収が高い業種や職種を選ぶ

飲食店といっても和食店・イタリアン・ダイニングバーなど、業態は多岐にわたります。また職種においても、 ホールスタッフ・料理人・パティシエなど選択肢はさまざまです。

 

飲食業で年収アップを目指すなら、以下の「飲食業の職種別の平均年収」を参考に転職先を決めるのも、選択肢の一つといえます。

 

職種 平均年収
寿司職人 452万円
料理長 431万円
料理人 418万円
ソムリエ 418万円
シェフ 404万円
バーテンダー 399万円
パティシエ 362万円
ホールスタッフ 383万円
パン職人 362万円

参照:求人ボックス 給料ナビ

 

接客よりも調理担当を目指す、あるいはより専門性の高い職種を選ぶことで、給料アップの可能性が高まります。

資格を取得する

資格手当が付く場合や、転職の際に有利になる可能性があります。

 

飲食業でおすすめの資格は、以下のとおりです。

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者
  • 調理師免許
  • ふぐ調理師免許
  • ワインソムリエ
  • レストランサービス技能士
  • 接客サービスマナー検定
  • パン製造技能士
  • 製菓衛生師
  • フードコーディネーター

求人情報には手当が付く資格が記載されていることもあるため、興味のある業種や職種の求人を確認してみるとよいでしょう。

入社する前に手当を確認する

飲食店によって手当は異なるため、少しでも給料を上げるためにも事前に確認しておきましょう。また、福利厚生の充実度も転職先を決める際の判断基準となります。

 

入社前に確認すべき手当や福利厚生は、おもに以下のとおりです。

  • 交通費支給
  • 残業代支給
  • 食事手当
  • 住宅手当(家賃補助)
  • 家族手当
  • 特別休暇
  • 人間ドック奨励
  • 財形貯蓄制度

給料に直結するものだけでなく、生活の質を向上させる手当にも注目してみましょう。

独立・開業する

独立・開業はリスクがあるものの、大幅に収入を上げられる可能性もあります。

 

飲食店経営者の平均年収は630万円前後であり、日本全体の平均年収460万円より高い数値を誇ります。

 

飲食店経営に興味のある方は、必要な資格や資金の目安などを把握し、万全の準備を整えましょう。

飲食業界の転職に特化した転職エージェントに相談する

業界の転職事情に長けているアドバイザーによる、万全なサポートが期待できます。

 

転職エージェントで受けられるおもなサービスは、以下のとおりです。

  • 希望に合った求人の紹介
  • 履歴書・職務経歴書の添削
  • 面接対策
  • 日程調整
  • 給料・待遇の条件交渉
  • 入社・退職のサポート

また、業界に特化したサービスを利用したい飲食店も多く、豊富な求人にも期待できるでしょう。さらに、高待遇の求人が多い非公開求人にも期待できるため、転職で年収アップを狙う方にもおすすめです。

飲食業界の転職で役立つ資格

飲食業界の転職で役立つ資格を、以下3つの部門にわけて解説します。

  • 調理部門
  • サービス部門
  • 将来的に独立を目指す方

希望する業種や業界に合った資格を取得すると、転職活動の際に有利になります。

調理部門

調理部門でおすすめの資格は、おもに以下のとおりです。

  • 調理師免許
  • 製菓衛生師
  • 菓子製造技能士検定
  • 栄養士
  • 管理栄養士
  • ふぐ調理師
  • パン製造技能士
  • 野菜ソムリエ

専門資格を有することで、転職の際に強みとなるでしょう。

 

また、キャリアアップを目指せたり、仕事の幅が広がったりなど、今後の可能性が大きく広がります。

サービス部門

サービス部門でおすすめの資格は、おもに以下のとおりです。

  • ソムリエ
  • バリスタ
  • レストランサービス技能士
  • 接客サービスマナー検定
  • バーテンダー
  • 和食マイスター
  • 日本酒提供者マイスター
  • 日本茶アドバイザー

サービス部門の勉強をはじめるなら、国家資格であるレストランサービス技能士がおすすめです。接客のプロを目指す方は、ぜひチェックしておきましょう。

将来的に独立を目指す方

将来的に独立を目指す方におすすめの資格は、おもに以下のとおりです。

  • 食品衛生責任者
  • 食品衛生管理者
  • 防火管理者
  • フードコーディネーター
  • フードアナリスト
  • 簿記
  • 普通自動車免許

食品衛生責任者と防火管理者の2つは、飲食店開業で必要な資格です。将来的に独立を考えている方は、事前に調べておきましょう。

 

なお、調理師免許はなくても開業することは可能です。自身の目指す方向性に合わせて、資格取得を検討しましょう。

飲食業界に強い転職エージェントを選ぶコツ

飲食業界に強い転職エージェントを選ぶコツは、以下の4つです。

  • 飲食業の求人が数多く取り揃えられているかチェックする
  • 飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーが在籍しているか確認する
  • 転職エージェントの口コミや評価をチェックする
  • サポートが充実しているか確認する

転職を有利に進めるためにも、選ぶコツをチェックしておきましょう。

飲食業の求人が数多く取り揃えられているかチェックする

求人数が多い転職エージェントを選ぶと、幅広い選択肢から自分に合った求人を見つけられます。

 

自分の得意を活かした仕事や、挑戦したい業種など、思いがけない発見があるかもしれません。

 

また、求人数が少ないと選択肢が狭くなり、あまり待遇の良くない求人に焦って応募してしまう可能性があります。

 

転職先に希望するエリアの求人数も、チェックしておくとよいでしょう。

飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーが在籍しているか確認する

転職先の希望する条件や待遇のマッチ度は、キャリアアドバイザーの質に左右されるといっても過言ではありません。

 

細分化された職種ごとの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーに担当してもらえると、満足度の高い転職先が見つかります。

 

また、キャリアコンサルタントが在籍する転職エージェントは、サポート力に期待できます。キャリアコンサルタントは国家資格を持つ専門家で、優れた知識と充実したサポートが魅力です。

転職エージェントの口コミや評価をチェックする

口コミには実際に転職エージェントを利用した方の評価が集まります。

 

公式サイトから分かる情報だけでなく、利用者の声を参考にすることで、自分に合った転職エージェントを見つけやすくなるでしょう。

 

とくにアドバイザーの対応や、サポートの充実度を確認する際には、口コミが有効な手段となります。

サポートが充実しているか確認する

転職エージェントでは求人の紹介だけでなく、給与の交渉などさまざまなサポートを受けられます。サポートの範囲はエージェントによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

 

転職エージェントで受けられるサポートは、おもに以下のとおりです。

  • 希望する職種や業種のヒアリング
  • マッチする求人の紹介
  • 履歴書・職務経歴書の添削
  • 求人ごとの面接対策
  • 面接日や入社日の日程調整
  • 面接同行
  • 給与・待遇の交渉代行
  • 退職手続きのサポートとアドバイス

希望するサポートから転職エージェントを選ぶのも、一つの方法です。

まとめ

飲食店の給料事情を調査した結果、他業種と比較しても平均年収は高くない傾向にあると分かりました。

 

とはいえ、昇給する前に辞める人が多いのも事実であり、計画的なキャリアプランを立てることで、年収アップも十分に狙えます。

 

また、求人情報や必要なスキルの情報を効率よく収集するには、転職エージェントの活用がおすすめです。

 

専門資格の取得や、大手企業への転職を目指すなど、行動次第で給料アップの可能性が広がるでしょう。

 

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